rTMS　磁気刺激療法について

ｒTMSとは何なのでしょうか？

ｒTMSとは反復性経頭蓋磁気刺激法〈はんぷくせいけいとうがいじきしげきほう〉(Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation)の略です。
簡単に説明すると電磁石の磁力のエネルギーを利用して脳に刺激を与え活性化させる治療法です。主にうつの治療法としてお薬やカウンセリングなどの治療に加えて新しい選択肢として注目されています。

どんなふうに治療するのでしょうか？

歯科にある様な椅子に座ります。頭の位置があまり動かない様に出来ています。電磁石をあてる頭の場所を探り、かつ電磁石の出力設定を行います。（ここが一番時間がかかります。大事なところです）。磁気のパルスが出るたびに頭を軽く指で弾かれる様な刺激があります。場所と出力が決定したら連続パルスによる治療に入ります。治療時間自体は照射する総パルス数によりますが10～15分程度です。

保険での治療も出来ると聞いたことがあるのですが？

日本でも2017年に厚生労働省により薬事承認されており、2019年6月からは一部保険適用されるようになりました。しかし保険診療でrTMS治療を受ける条件が厳しく現状では小さなクリニックでは適応することができません。更に保険で利用できる磁気刺激の方法も限定されており、現在主流となりつつあるTheta(θ) Burst Stimulation(TBS)シータバーストという方法が使えません。θバーストモードとは20Hz～50Hzの高頻度パルスをθリズムであてる方法で、この方法だと短時間で効果的な治療を行うことができるのです。当院では自費診療でおこなっています。

費用はどのくらいかかりますか？

1回

5,000円（税別）

5回

24,000円（税別）

10回

45,000円（税別）

20回

80,000円（税別）

30回

120,000円（税別）

なお、照射の仕方や時間によって、1度の照射で2回分の料金がかかる場合もございます。
詳しくは、診察時にご確認ください。

11月頃からJCB、VISA、AMEX等のクレジットカード、電子マネーなどが利用可能になります。詳しくはお電話でお問い合わせください。

安全性について

すでに2008年10月米国FDAはｒTMSを薬物治療抵抗性うつ病に対して承認しています。承認の理由は，薬物治療抵抗性うつ病に対して薬物治療と同等の抗うつ効果を示したことと、重篤な有害事象を認めなかったことです。以前から電気けいれん療法という電気を利用した治療法はありました。しかし電気は頭蓋骨に阻まれてしまい容易に脳へ伝わらないため100V程度の高電圧が必要でした。ｒTMSは電磁石のエネルギーを利用するので頭蓋骨を容易に通過します。そのため大きなエネルギーを必要とせず少ないエネルギーで脳を効率的に刺激して安全性の高い治療が可能になっています。
もちろん全く副作用のない治療はありません。
よくある副作用としては頭皮痛・刺激痛（10％前後）、顔面の不快感（30%前後）、頚部痛・肩こり（10％前後）、頭痛（10%未満）となっています。統計により％は若干異なります。
また重篤な副作用として一番問題にされていることがてんかん発作を誘発する危険性ですが、その点についてアメリカにて2008年10月以降約8000人のうつ病の方に250000回以上の磁気刺激療法を行いけいれん発作の報告は6件のみとなっています。
この治療法が原因でけいれん発作を起こす可能性は極めて低いですよということですが、当院では過去にけいれん発作の既往がある方はお受けできません。いくつか条件がありますのでご参照ください。